英検3級の勉強法とは?試験のレベルや合格率、受験するメリットなども解説

英検3級の勉強法・対策まとめ 試験レベルや合格率も解説

英検3級は中学卒業程度のレベルが求められ、合格率は50%前後とされています。

基礎力の集大成ともいわれるレベルで、リーディングやリスニングに加え、ライティングやスピーキングなどのスキルも問われます。

では英検3級に合格するにはどのような対策が必要となるのでしょうか。

この記事では、英検3級に合格するための具体的な勉強方法について解説します。

英検3級の難易度や試験直前の対策方法、よくある質問などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

英検とは?

英検の7つの級のレベルまとめ表

英検は正式名称「実用英語技能検定」といい、公益財団法人日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援している検定です。

小学生から社会人まで幅広い層が受験しており、年間総志願者数は420万人を超えます。

英検には1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、受験者は任意の級を受験可能です。

各級のレベルの目安は以下の通りとなっています。

各級のレベルの目安
  • 1級:大学上級程度
  • 準1級:大学中級程度
  • 2級:高校卒業程度
  • 準2級:高校中級程度
  • 3級:中学卒業程度
  • 4級:中学中級程度
  • 5級:中学初級程度

級によって試験で問われる技能が異なり、1級~3級は4技能(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)、4級・5級は2技能(リーディング、リスニング)です。

試験後に送付される成績表には、合否判定に加え英検CSEスコアや合格ラインとの差が示されるため、自分の実力を確認できます。

英検3級の難易度はどのくらい?

英検3級の難易度はどのくらいなのか気になる方も多いでしょう。

日本英語検定協会によると、「中学卒業同程度」かつ「身近な英語を理解し、使用できるレベル」と定義されています。

レベル5級・4級で習得してきた基礎力の集大成の級で、レベルは中学卒業程度とされています。
身近な英語を理解し、使用できることが求められます。
資格概要3級からライティング試験および面接試験が加わり、書く力・話す力が的確に測定されます。
試験時間一次試験(筆記65分 / リスニング約25分)
二次試験(英語での面接約5分)
参考:日本英語検定協会「3級の過去問・試験内容

ここでは英検3級のレベルと合格点・合格率について紹介します。

英検3級のレベル

英検3級のレベルは「中学卒業同程度」かつ「身近な英語を理解し、使用できるレベル」とされており、中学3年生までに学ぶ英語をしっかりと理解していなければいけません。

具体的には5級・4級(中学中級程度)で習得してきた基礎力の集大成ともいえる級で、約1250~2100語の単語力が求められます。

英検3級合格のためには語彙力もしっかり身につけなくてはいけないでしょう。

試験では筆記やリスニングだけでなく、二次試験としてスピーキング能力を測る試験も加わるため、人との会話の中で英語の知識を用いる技能も求められます。

英検3級の合格点・合格率

英検では2016年以降「CSEスコア」というユニバーサルなスコア尺度が採用され、受験級ごとに異なる合格基準スコアが設定されています。

英検3級は4つの技能を受験しますが、合格点はリーディング・リスニング・ライティングのトータルで1103点、スピーキングで353点です。

4つの技能は各550点満点となっており、合格点に到達するためには一次試験で約67%、二次試験で約65%以上の点数をとる必要があります。

英検3級の合格率については2016年以降は公開されていませんが、2015年までの公開されているデータは以下の通りです。

合格率
2011年51.6%
2012年55.3%
2013年53.4%
2014年54.6%
2015年52.9%

英検3級の合格率はおおよそ50%前後といえるでしょう。

英検3級のおすすめの勉強方法・対策

英検3級に合格するためには以下の6つの勉強が必要になります。

英検3級の勉強方法
  • 単語・熟語
  • 英文法
  • 長文読解
  • ライティング
  • リスニング
  • スピーキング(面接)

また、英検3級は4つの技能を受験し合格点はリーディング・リスニング・ライティングのトータルで1103点、スピーキングで353点が必要です。

ここでは上記の勉強方法・対策についてそれぞれ解説します。

英検3級の単語・熟語の勉強方法

英検3級で出題される単語・熟語の例題は以下の通りです。

例題

A:Dad, can I ask you some questions about my science project tomorrow?
B:Of course, Sally. You can ask me ( ).

1.along 2.almost 3.abroad 4.anytime

解答:4

※引用元:3級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検3級で出題される単語・熟語は身近な話題で使われるものが多く、名詞・動詞・形容詞が中心となります。

教科書や問題集で目にした単語はしっかり覚えるのはもちろん、ただ意味を覚えるだけでなく、その単語が名詞化か形容詞かといったように品詞の違いも理解することが大切です。

英検3級で出題される単語をまとめた単語・熟語集も活用して、語彙力を高めていきましょう。

単語を覚える際は単語の音を聞いたり実際に発音したりすることで、よりインプットしやすくなります。

英文法の勉強方法

英検3級で出題される英文法の例題は以下の通りです。

例題

Man : That was a delicious dinner.
Woman : Really? (  ) It was too spicy for me.

  1. I can eat yours 2.I didn’t think so 3.I’ll do it. 4.I used chopsticks.

解答:2

※引用元:3級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検3級では、文法そのものの知識を問うものが出題されます。

出題頻度が高い問題としては、時の表し方や疑問文の作り方、受動態、比較、現在分詞、動名詞、to不定詞、関係代名詞などです。

中学の文法が解説されている参考書を確認し、まずは自分が知らない、覚えていない文法がないようにしましょう。

文法を学習する際はフィーリングや単語力のみで解いてしまわないよう、文法的に英文を理解する癖をつけることが大切です。

長文読解の勉強方法

英検3級で出題される長文読解の例題は以下の通りです。

例題

The Quokka
The quokka is a special animal from Australia. They are
marsupials,* like kangaroos, but smaller. They have round bodies about 45 centimeters long. Their ears are small and round, and they have a black nose.
Many quokkas live on Rottnest Island. Rottnest Island is near the city of Perth, and its name came from the Dutch* word for “rat’s nest.” Long ago, a man named Willem de Vlamingh thought quokkas looked like big rats. Quokkas are also found on Bald Island and in other parts of Western Australia. They like living in areas with tall grass, can climb trees, and mostly eat at night. On mainland Australia, the number of quokkas has gone down. This is because the environment has changed there. Also, there are wild cats and foxes that hunt them. The weather is also changing, and this is not good for them.
Many people think quokkas are cute, and these days, taking photos with them is popular. This became even more popular after an Australian actor took pictures with a quokka and shared them on the Internet. The morning and the evening are good times to take photos with them. However, some people who want to protect quokkas say there are some important rules for taking photos with quokkas. For example, people should wait for quokkas to come close before they take photos with them, and they should not touch quokkas. Also, they say people should not feed them because human food can make them sick.

What did Willem de Vlamingh think when he saw some quokkas?
1 He thought they were dangerous.
2 He thought they were kangaroos.
3 He thought they looked like rats.
4 He thought they were a popular pet.

解答:3

※引用元:3級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検3級で出題される長文読解は、大問3でA・B・Cの3つに分かれて合計600語程度で出題されます。

長文読解は時間内に読み切ることが大切になるため、英文を小さなまとまりごとに文頭から順に読み進める力を身につける必要があるでしょう。

長文読解は文章構造や性質を知っておくことで、より問題文を理解しやすくなります。

それぞれの段落の冒頭にはその段落で伝えたい内容が端的に表された「トピック・センテンス」があるため、それも意識して繰り返し問題演習をすることが大切です。

長文読解問題を解いた後は、英文を音読することで語順通りに英文の意味が頭に入ってくるようになり、スピーキングの練習にも活かせます。

ライティングの勉強方法

英検3級で出題されるライティングの例題は以下の通りです。

例題

・あなたは,外国人の友達から以下の QUESTION をされました。
・QUESTION について,あなたの考えとその理由を 2 つ英文で書きなさい。
・ 語数の目安は25語~35語です。

QUESTION
What is your favorite place to do your homework?

解答例:My favorite place to do my homework is my room. First, I can use my dictionary there when I do my English homework. Second, I like doing my homework in a quiet place alone.

※引用元:3級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検3級のライティングでは、身近なことについて書くことができるレベルが求められます。

声に出して読み上げたり書き写したりしながら、教科書に載っている文例をできるだけ覚えることが大切です。

文例の動詞やその他の要素を他の単語に置き換えて繰り返し練習することで、英検3級レベルの英作文のスキルが身についていきます。

また英作文では文頭や固有名詞は大文字、複数形は名詞の末尾にsを付ける、文末にはピリオドを書くなどの基本的なルールをしっかり身につけておくことも大切です。

これらはうっかりミスの原因となるため、日頃から注意しておきましょう。

リスニングの勉強方法

英検3級で出題されるリスニングの例題は以下の通りです。

例題

1 Become a science teacher.
2 Become a P.E. teacher
3 Visit her grandfather’s school.
4 Visit a science museum.

解答:2

※引用元:3級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検3級のリスニングテストは第1部・第2部・第3部があり、身近なことに関する内容を聞いて理解できるレベルが求められます。

リスニング問題は英語を耳で聞いて慣れることが第一です。

リスニング対策の問題集を活用しながら、英語特有のリズムやイントネーションに慣れていきましょう。

ネイティブな英語に耳を鳴らしたいという方は、スマートフォンで手軽に英語を学べる英会話アプリがおすすめです。

英語学習アプリでは完全無料で使えるものも増えてきているので効率的にリスニング力を伸ばすことができるでしょう。

耳で聞きながら、自分で同じように発音してみるのも有効な対策となります。

英語のスペルと音声が一致しない場合は、リスニング問題の音声を何度も聞きながら一緒に音読して耳に慣らしていくことが大切です。

スピーキング(面接)対策

英検3級の面接では以下のような質問がされます。

例題

How many hours do you study every day?
How many people do you have in your family?
How many times have you been on a plane?
What are you going to do after this test? 
What are you planning to do this spring(winter, summer)?

引用元:英検3級スピーキング予想問題(2024.7.2更新) | weknow by Interstate

スピーキング(面接)対策としては、英検3級の二次試験・面接の予想問題集などを活用するのがおすすめです。

ただし発音やスピーキングに関しては友人との練習では間違いに気づくことが難しいでしょう。

スピーキングを特に強化したい方にはオンライン英会話でアウトプットする機会を増やす勉強法がおすすめです。

ネイティブな先生と練習することができるのでアクセントや文法の使い方など窯会所まで対策が可能です。

学校の先生や英語が得意な友人に協力してもらい、本番のつもりで何度も予行演習をすることも大切になります。

面接の評価にはアティチュード(態度)の項目もあり、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が大切です。

入隊時の挨拶やアイコンタクト、声の明瞭さなどを意識しながら、繰り返し練習しましょう。

英検3級の試験直前の対策方法

英検3級の試験直前の対策方法は以下の通りです。

試験直前の対策方法
  • 単語帳を繰り返し復習する
  • 過去問を解いてテスト形式に慣れる
  • 英検対策ができるアプリでスキマ時間にも勉強する

ここでは上記の対策方法についてそれぞれ解説します。

単語帳を繰り返し復習する

英検でまんべんなく点数を取るためにもっとも重要な項目と言っていいのが単語・熟語のため、単語帳を繰り返し復習しましょう。

単語の穴埋め問題はもちろん、ライティング問題でも単語を駆使する必要があります。

英検3級は2100語程度の単語力が求められるため、知らない単語・覚えていない単語がないようにしておくことが大切です。

試験直前に単語帳をすべて復習するのはなかなか難しいため、重要度の高い単語を重点的に復習するようにしましょう。

過去問を解いてテスト形式に慣れる

英検3級は問題形式がしっかり定まっているため、過去問を繰り返し解いてテスト形式に慣れることが大切です。

テスト形式に慣れていれば試験本番のプレッシャーを軽減できるでしょう。

また問題を解くことで自分の得意な分野と不得意な分野を把握し、対策が必要な分野を絞ることも可能となります。

英検対策ができるアプリでスキマ時間にも勉強する

試験直前は英検対策ができるアプリでスキマ時間にも勉強しましょう。

英検対策ができるアプリはさまざまありますが、試験直前の大詰めに活用するならテストモードが搭載されているアプリがおすすめです。

テストの時間配分や正答率を意識しながら勉強でき、対策が必要な個所を絞ることができます。

ぜひ自分に合ったアプリを探してみてください。

英検3級を受験するメリット

英検3級を受験するメリットは以下の2つです。

英検3級を受験するメリット
  • 英語の基礎固めができる
  • 入試で有利になる

ここでは上記2つのメリットについてそれぞれ解説します。

英語の基礎固めができる

英検3級では、日常生活で使われる基本的な英語表現や文法、リスニング能力が問われます。

これにより中学校レベルの英語力を確実に身につけることが可能です。

また3級の学習を通じて単語や熟語の理解が深まり、英作文やリーディングのスキルも向上し、実際の会話や日常でのコミュニケーションにも役立つ知識が得られるでしょう。

結果として、英語の基礎がしっかりと固まり、さらなる語学学習における土台がしっかりとしたものになります。

入試で有利になる

英検3級を取得していると、多くの中高一貫校や高校の入試で有利になります。

一部の学校では、内申点の加点や推薦入試での評価が上がる場合もあります。

また3級合格は英語の学習意欲や能力を自己アピールする際の強力な証拠となり、特に英語が重要視される学校では他の受験生との差別化を図るための大きな武器となるでしょう。

さらに入試後も、高校での授業やテストにおいて基礎力があると感じることで、学習意欲が高まる可能性があります。

英検3級試験内容

英検3級の一次試験の試験内容は以下の通りです。

測定技能形式・課題形式・課題詳細問題数問題文の種類解答形式
リーディング短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う15短文
会話文
4肢選択
(選択肢印刷)
会話文の文
空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う5会話文
長文の内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える10掲示・案内、Eメール(手紙文)、説明文
ライティング英作文質問に対する回答を英文で書く1記述式
リスニング会話の応答文
選択
会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う
(放送回数1回、補助イラスト付き)
10会話文3肢選択
(選択肢読み上げ)
会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える
(放送回数2回)
10
文の内容
一致選択
短いパッセージの内容に関する質問に答える10問題文
説明文
4肢選択
(選択肢印刷)

筆記50分、リスニング約25分の時間配分となっています。

英検3級の二次試験の試験内容は以下の通りです。

測定技能形式・課題形式・課題詳細問題数解答形式
スピーキング音読30語程度の
パッセージを読む
1個人面接
面接委員1人
(応答内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などの観点で評価)
パッセージに
ついての質問
音読したパッセージの内容についての質問に答える1
イラストに
ついての質問
イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する2
受験者自身のことなど日常生活の身近な事柄についての質問に答える
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)
2

一次試験、二次試験どちらも「中学卒業程度」の試験内容となります。

英検3級の勉強法に関するよくある質問

英検3級の勉強法に関するよくある質問をまとめました。

よくある質問
  • 英検3級の合格に必要な勉強時間の目安は?
  • 英検3級の問題集や過去問は必ず買うべき?
  • 英検3級に合格するために塾に行く必要はある?
  • 英検3級と4級の違いは?

ここでは上記の質問についてそれぞれ解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

英検3級の合格に必要な勉強時間の目安は?

英検3級に合格するためには、一般的には100時間〜150時間程度の勉強が必要だとされています。

しかし、個人の英語力や学習速度によって異なるため、自分のペースに合わせたプランを立てることが重要です。

勉強時間は、平日に1日1時間、週末に2〜3時間を確保するのが効果的です。

また試験直前には過去問を解き、試験形式に慣れることも計算に入れておくと良いでしょう。

英検3級の問題集や過去問は必ず買うべき?

英検3級の合格を目指すなら、問題集や過去問は購入を強くおすすめします。

問題集は出題傾向や頻出問題が網羅されており、効率的に学習を進めるための良いガイドとなるでしょう。

また過去問を解くことで自分の弱点を把握し、試験本番での時間配分を練習することができます。

書店やインターネットで簡単に入手できるので、ぜひ活用してください。

英検3級に合格するために塾に行く必要はある?

塾に通うことは必須ではありませんが、効果的な選択肢の一つです。

独学での限界を感じた場合や、専門的な指導が欲しい場合には塾を検討すると良いでしょう。

塾ではプロの講師からフィードバックを受けることができ、効率的に学習を進めることができます。

時間や予算の関係で難しい場合には、オンライン教材やアプリ、または学習動画などを利用することで、自分なりのペースで学習を進めるのがおすすめです。

英検3級と4級の違いは?

英検3級と4級の大きな違いは、試験内容と求められる英語力です。

3級では中学校卒業程度の英語力が求められ、リスニング、リーディング、ライティングに加えてスピーキングも問われます。

一方、4級は中学2年程度の英語力が必要で、リスニングとリーディングが主な試験範囲です。

また3級は面接試験があるため、口頭での英語力も評価されます。

これに対して、4級は筆記試験のみの構成となっています。

まとめ

英検3級は「中学卒業同程度」かつ「身近な英語を理解し、使用できるレベル」の実力が求められます。

英検3級の試験対策として、単語・熟語、英文法、長文読解、ライティング、リスニング、スピーキングの勉強を行いましょう。

必要な単語力や文法を身につけることはもちろん、過去問や問題集を活用しながら、実際のテスト形式に慣れることが大切です。

ぜひ今回紹介した勉強方法を参考に、試験対策に取り組んでみてください。

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