「英検を受験したいけれど二次試験が不安」
「英検二次試験の対策方法がわからない」
このように悩んでいる方もいるでしょう。
結論、英検二次試験の対策方法は以下になります。
- 声に出して練習する
- 大きな声ではっきり話す
- 使えるフレーズを覚えておく
- 聞き取れなかった時の対処法を考えておく
- 日常的に英会話を使って慣れる
二次試験は面接形式のスピーキングテストのため、「単語がわからなかったらどうしよう」「答えられなさそうで不安」と感じる方もいるかと思います。
本記事では、実際の面接の流れや問題構成、覚えておくと役に立つフレーズなども紹介します。
これから英検二次試験が控えている方は、ぜひ参考にしてください。
英検二次試験の基礎知識!級によって問題構成や合格点が異なる
英検の二次試験は3級以上の試験で実施されますが、級によって問題構成や合格点が異なります。
- 英検二次試験の級ごとの違い
- 英検二次試験の合格点
構成 | ・パッセージについての質問 ・イラストについての質問×2 ・受験者自身のことを問う質問×2 |
---|---|
取り扱う話題 | 身近なことに関する話題 |
合格点(満点) | 353点 (550点) |
まずは自分が受ける試験の問題構成や合格点を確認してみましょう。
英検二次試験の級ごとの違い
英検二次試験は、約5〜7分間で実施されます。
大まかな流れに違いはありませんが、問われる質問の数や取り扱う話題が異なるため、自分の級の問題内容を把握しておくことが大切です。
以下に英検二次試験の級ごとの違いをまとめました。
級 | 構成 | 取り扱う話題 |
---|---|---|
3級 | ・パッセージについての質問 ・イラストについての質問×2 ・受験者自身のことを問う質問×2 | 身近なことに関する話題 |
準2級 | ||
2級 | ・パッセージについての質問 ・イラストについての質問 ・受験者自身のことを問う質問 | 社会性のある話題 |
準1級 | ・ナレーション ・受験者自身のことを問う質問×3 | |
1級 | ・自由会話 ・スピーチ ・自由会話やスピーチに関する質問 |
3級・準2級の二次試験では、身近なことに関する話題(ホームシアター・映画祭・食品フェアなど)を取り扱います。
問題カードを受け取り、記載されている内容に関する質問に答えていく構成です。
2級も準2級までと大きな違いはありませんが、取り扱うトピックが社会性のある話題(オンライン会議・サプリメント・ペット産業など)になり、質問数が少なくなります。
準1級からは、問題カードに基づいてナレーションしたり自由会話をしたりなど、難易度が高くなるのが特徴です。
英検の公式サイトでは、各級の「英検バーチャル二次試験」が設けられているので、まずは大まかな流れをチェックしてみましょう。
英検二次試験の合格点
英検二次試験は、合格点も級によって異なります。
各級の合格ラインは以下のとおりです。
級 | 合格点 (満点) |
---|---|
3級 | 353点 (550点) |
準2級 | 406点 (600点) |
2級 | 460点 (650点) |
準1級 | 512点 (750点) |
1級 | 602点 (850点) |
合格ラインは8割程度となっているため、しっかり対策を取っておけば合格するのはそれほど難しくないといえるでしょう。
英検二次試験(面接)の流れ!ポイントを押さえて対策を取ろう
ここからは英検二次試験(面接)の大まかな流れを解説します。
- 入室
- 「面接カード」を渡す
- 着席
- 氏名・級の確認・挨拶
- 「問題カード」を受け取る
- パッセージの黙読(20秒)
- パッセージの音読
- パッセージについての質問
- イラストについての質問
- 問題カードを裏返す
- 受験者自身の意見などを問う質問
- 「問題カード」を面接官に返す
- 退室
ここでは英検3級の二次試験の流れを解説します。
上記でも解説したとおり、級によって質問数や問題構成は異なりますが、どのような流れで試験が行われるのか参考にしてください。
1.入室
面接会場で受付を済ませたら「面接カード」を渡されるので、氏名・個人番号などを記入しましょう。
面接カード記入後は控え室で待機し、順番が近づいたら係員から案内されるので、荷物を全て持って面接室へ移動します。
係員から入室するように合図されたら、扉をノックし「May I come in?(入ってもいいですか?)」と確認してから「Hello.」などと挨拶をして入室しましょう。
- 受験者:May I come in?
- 試験官:Please come in.
- 受験者:Hello.
- 試験官:Hello.
ちなみに、面接室に入るまでは全て日本語で案内されます。
2.「面接カード」を渡す
入室したら面接官に挨拶をし「面接カード」を渡します。
- 面接官:Hello.
- 受験者:Hello.
- 面接官:Can i have your card, please?
- 受験者:Yes. / Here you are.
挨拶などの態度も見られているので、明るくはっきり大きな声で挨拶するようにしましょう。
3.着席
面接カードを渡した後は、面接官から着席を指示されるので席につきましょう。
- 面接官:Please have a seat.
- 受験者:Thank you.
何も言わずに座ったりうつむいたまま立っていたりすると「コミュニケーション意欲がない」と判断される可能性があります。
緊張していても、明るくはっきりコミュニケーションを取るように心がけてください。
4.氏名・級の確認・挨拶
着席後は、氏名・級の確認などが行われるので、面接官の質問に答えていきましょう。
- 面接官:My name is ◯◯.What’s your name,plese?
- 受験者:My name is ◯◯.
- 面接官:This is the Grade 3 test, OK?
- 受験者:Yes.
- 面接官:How are you today?
- 受験者:I’m fine, thank you.
挨拶の時など「なんと答えよう」「テストだから挨拶の返答も確認されるかも」などと考えすぎると、上手く答えられなくなってしまう可能性があります。
しかし、大切なのはコミュニケーションを取ろうとする姿勢なので、あまり考えすぎず自然に会話できるように意識しましょう。
5.「問題カード」を受け取る
氏名の確認や挨拶が終わると、面接官から「問題カード」が渡されます。
- 面接官:OK, let’s start the test. This is your card.
- 受験者:Thank you.
問題カードには、パッセージ(文章)とイラストが記載されています。
6.パッセージの黙読(20秒)
問題カードを受け取った後は、パッセージ(文章)を黙読するように指示があります。
問題カードに書かれた文章を声に出さずに読みましょう。
- 面接官:First, please read the passage silently for 20 seconds.
- 受験者:All right.
パッセージの文字数は60字程度(問題文によって異なる)です。
まずはタイトルを確認してパッセージの大まかな内容を把握し、本文を読み始めましょう。
「この単語なんだっけ」などと悩んでいると時間が足りなくなってしまうので、まずはさっと本文全体に目を通すようにしてください。
どこからどこまでがひとつのまとまりなのかを確認しながら、本文の流れを考えつつ黙読しましょう。
7.パッセージの音読
20秒の黙読が終了すると、面接官から音読をするように声がかかります。
- 面接官:Now, please read it around.
- 受験者:OK.(パッセージをタイトルから読む)
音読の合図があったら「OK.」と返事をして、パッセージをタイトルから読み上げましょう。
この時、面接官にも聞こえるように、はっきり大きな声で音読することが大切です。
音読は「発音が間違っていないか」「文章の区切りがあっているか」などと考えて、いっぱいいっぱいになりがちです。
もし自信がない部分や分からない単語があっても、ごまかして読まずに自信を持って大きな声で発音しましょう。
音読の後にはパッセージについての質問が行われるので、本文の意味を頭に入れつつゆっくり読むようにしてください。
8.パッセージについての質問(No.1)
パッセージについての質問は「How」「Why」を使った疑問文が多いです。
音読後に面接官が「According to the passage」と言ったら、疑問文が「How」「Why」どちらから始まるかしっかり聞き取りましょう。
例えば「How…?」と聞かれた場合は、パッセージのなかから「方法」が述べられた文章を探して返答します。
「by doing」「in this way」などが記載されている文章に着目して、答えを探し出しましょう。
見るべき点:方法が述べられた文章
見るべきワード:「by doing」「in this way」
「Why…?」と質問された場合は「理由」が述べられている文章を探します。
「therefore」「so」などに着目し、答えが書かれた文章を探すのがポイントです。
見るべき点:理由が述べられた文章
見るべきワード:「therefore」「so」
答えにあたる文章を見つけたら、Howの質問の時は「By doing」など、Whyの質問の時は「Because」などを文頭につけて返答すると良いでしょう。
9.イラストについての質問(No.2・No.3)
パッセージについての質問の後は、イラストについての質問が2つ行われます。
イラストについての質問は、印刷されたイラストの中の人物の行動や物の状況を描写するのが課題です。
- 面接官:Please look at the picture. What’s is the man going to do?
- 受験者:He’s going to read the newspaper.
- 面接官:How many cups are there on the table?
- 受験者:There are two.
「Please look at the picture.」と言われてから出題されるので、それに続く疑問視と主語をしっかり聞き取りましょう。
イラストについての質問も問題カードを見ながら返答できるので、まずはよく質問内容を聞き取り、答えとなるイラストを探しましょう。
返答時のポイントは、主語を適切な代名詞に変更することです。
例えば「What’s is the man…」と質問されたら「He’s…」と返答します。
物の数を問われた場合は「There…」「a / an」など、返答方法にも注意が必要です。
10.問題カードを裏返す
イラストの質問が終わったら面接官から「Please turn over the card and put it down. 」と言われるので、問題カードを裏返しましょう。
ここからは問題カードとは関連性がない質問が行われるので、面接官の目を見てしっかり返答することが大切です。
11.受験者自身の意見などを問う質問(No.4・No.5)
No.4・No.5では受験者自身に関する質問が行われます。
例えば「週末は何をする予定ですか?」「何をするのが好きですか?」などの質問が行われるので、自分自身の返答を行いましょう。
No.5の質問では、「Do you…?」と聞かれるケースが多いので、「Yes」「No」で返答しましょう。
返答後は「Please tell me more.」と言われるので、具体的な内容を返答するのがポイントです。
ちなみに、「No」と返答した場合は、ひとつ目とは異なる質問をされるケースが多いので、頭を切り替えてしっかり返答できるようにしてください。
12.「問題カード」を面接官に返す
面接官から「This is the end of the test.」と言われたら試験は終了です。
「May I have your card back, please?」と言われるので、「Here you are.」などと答えて問題カードを返却しましょう。
13.退室
面接官から「You may go now.」と言われたら「Thank you. Goodbye.」と言って退出しましょう。
退出後は控え室に戻ったり他の受験者と話したりすることはできないので、忘れ物をしないように注意してください。
英検二次試験に合格するための対策法は?
英検二次試験に合格するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ひとつずつ詳しく解説するので、ぜひ目を通してみてください。
過去問や参考書を使って声に出して練習する
英検の公式サイトはサンプル問題をダウンロードすることができます。
ただし、公式サイトのサンプル問題には解説やポイントが記載されていないため、面接の練習にはあまり向いていません。
サンプル問題だけでは不十分と感じる場合は、参考書を購入して勉強するのがおすすめです。
また、発音などをしっかり練習したい場合は、オンライン英会話などを利用して講師に確認してもらうのもおすすめできます。
英語の講師に発音を確認してもらえれば、試験でも自信を持って返答できるようになるでしょう。
大きな声ではっきり話す
当たり前のことに感じるかもしれませんが、英検の二次試験では大きな声ではっきりと返答することが大切です。
「単語を聞き取れるかな」「発音が間違っていないかな」などと不安を感じていると、自信がなくなり声が小さくなってしまう可能性があります。
英検二次試験はアティチュード(姿勢・態度)も評価対象となるため、積極的にコミュニケーションを取ろうとすることが大切です。
質問に対する返答だけでなく、入室から退室までの全ての言動が見られているので注意しましょう。
そこまで不安に感じる必要はありませんが、無言で着席したり挨拶を適当にしたりすると減点となる可能性があります。
自信がないとしても意欲的に行動し、質問には大きくはっきりした声で答えるようにしましょう。
使えるフレーズを覚えておく
英検二次試験の不安を少しでも取り除くために、使えるフレーズを覚えておくのもおすすめです。
フレーズを覚えておけば、回答する際に文章を考えやすくなるでしょう。
以下に覚えていると使えるフレーズをまとめました。
- I think SV
→私はSはVすると思う - By ~ing.
→~することで - In my experience,
→私の経験では~ - In my view (opinion)~
→私の見解 (o意見)では、 - This is why I think ~
→これが私が〜だと思う理由です - I suppose/guess/feel that~
→~と想定する・~と感じる - I agree (odisagree)with you, because~
→私はあなたに賛成 (反対)します、なぜなら - I’m afraid but I don’t agree, the reason is ~
→残念ながら、あなたの意見に賛成できません、理由は~
また、考える時間が欲しい時は「Well…」などと言って、考える時間を作るのがポイントです。
悩んでいるときも「えっと」「うーん」など日本語を話してはいけません。
質問された内奥が分からない時は「 I am sorry, but could you repeat the question again?」と言って、問題をもう一度質問するのもポイントです。
このように、困った時に使えるフレーズを覚えておくと、不安を軽減できるでしょう。
聞き取れなかった場合の対処法を考えておく
質問を聞き取れなかった場合は、1回までは聞き直しが可能です。
聞き直した時に使えるフレーズを以下にまとめました。
- I beg your pardon?
→何とおっしゃいましたか? - Could you say that again?
→もう一度言っていただけますか?
ただし、2回以上聞き直したり、分からないからと詰まったままでいたりすると減点されてしまう可能性があります。
質問を聞き取れなかった場合は落ち着いてもう一度質問し、正確に返答できるようにしましょう。
日常的に英会話を使って慣れておく
英検二次試験でスムーズに返答するためには、日頃から英語を使い英会話に慣れておくことが大切です。
自宅で二次試験の対策を行う時も、頭の中で考えるだけでなく、実際に声に出して練習しておく必要があります。
身近に英会話ができる人がいれば練習相手になってもらい、実際に問題を出してもらって練習すると良いでしょう。
練習相手が見つからない場合は、オンライン英会話などを利用し、講師のレッスンを受けるのもおすすめです。
オンライン英会話では英検対策コースなどを設けているスクールもあり、実際の試験さながらの練習ができます。
申込後すぐに受講できるスクールも多いので、講師による英検対策を受けたい方は利用を検討してみてください。
まとめ:英検二次試験は面接の流れやポイントを押さえて対策しよう
英検二次試験は面接形式のスピーキングテストのため、「しっかり返答できるかな」「面接官の話を聞き取れるかな」など不安に感じる方もいるでしょう。
ただ、二次試験の面接の流れは公表されているので、ポイントを把握して対策を取っておけばそれほど不安に感じる必要はありません。
- 声に出して練習する
- 大きな声ではっきり話す
- 使えるフレーズを覚えておく
- 聞き取れなかった時の対処法を考えておく
- 日常的に英会話を使って慣れる
これから英検二次試験を受ける予定の方は、試験のポイントを把握して、事前に対策を取っておくようにしましょう。